今回は、「学習障害とは?その定義や種類、特徴や原因、学習障害をもつ有名人などをまとめました」の第4話です。
今回は、学習障害の「原因」についてまとめました。
- うちの子は学習障害かもしれない、育て方が悪かったのだろうか?
- 子どもと接する仕事をしてるんだけど、学習障害の原因ってなに?
- 学習障害の原因を知って、勉強法や支援、対応に活かしたい
と思われる方も多いのではないでしょうか。
学習障害の原因について理解することで、より良い支援や対応をすることが可能になります。
そこで本記事では、学習障害の「原因」についてまとめました。
「学習障害」とは?その定義や種類、特徴や原因、学習障害をもつ有名人などをまとめました(第4話)
学習障害の原因とは
学習障害の原因は、
「脳のはたらきの不具合」
として理解されています。
脳のはたらきの不具合の原因について、いろいろあるようだ、ということがわかってきています。
しかし、直接的な、確固たる原因というのは、まだよくわかっていない、という状態です。
おそらくこれらが原因だろう
と考えられているものがわかっていきている
という状況です
そこでここでは、原因と考えられるものを説明していきたいと思います。
原因1:「脳の病気」
脳の病気により、脳内のはたらきに不具合が出てしまっている状態です。
具体的に原因と考えられているものには、
「てんかん」、「脳炎」、「脳症」、「髄膜炎」といったものがあります。
これらの病気の結果として、脳に不具合が出て、学習障害を引き起こしている場合が考えられます。
原因2:「頭のケガ」や「放射線被ばく」
頭のケガや放射線被ばくが、学習障害の原因になることがあります。
例えば交通事故などで、頭部を強く打ってしまうと、それが原因で脳に傷が入ってしまうことがあります。
また頭が放射線被ばくにあってしまうと、脳細胞の遺伝子に不具合が起こりやすくなります。
頭部の外傷や放射線被ばくがあると、脳内に不具合が起こってしまい、
その結果、学習障害が引き起こされることが考えられます。
原因3:未熟児
現在の新生児医療の現場は、とても発達しています。
昔であれば助からなかったような、超未成熟児でも助かるようになっています。
こういった未熟児で生まれたお子さんの中の一部の方には、脳に少しだけ不具合がある場合があります。
その結果、学習障害を引き起こす場合があるのではないかと考えられています。
近年、学習障害の方の数が増えている、という原因の1つになっていると考えられます。
原因4:「喫煙」や「受動喫煙」
学習障害の原因の1つには、
妊娠中の「母親の喫煙」や、父親の喫煙の「受動喫煙」
があると考えられています。
妊娠中の体内では胎児は日々成長していますが、
タバコには数千万もの物質が含まれており、
どの物質がどんな影響を持っているかを、現在の科学では、すべてを把握できていません。
タバコに含まれる物質が、胎児の脳の成長に影響して、脳に不具合を起こす可能性があります。
つまり、喫煙や受動喫煙の結果、学習障害が起こりやすくなることが考えられます。
原因5:飲酒
妊娠中の母親の飲酒は、胎児の成長に影響すると考えられています。
日本の法律では、お酒は20歳からですが、
アルコールには、脳の発達に悪影響を与えることがわかっているため、このように決められています。
妊娠中に母親が飲酒をすると、胎児の脳の成長に悪影響が出ます。
その結果、妊娠中の母親の飲酒により、学習障害が引き起こされる可能性があります。
原因6:遺伝
学習障害の種類には、読み・書き・算数の障害などがありますが、
読みの障害には、遺伝的な要素が大きいのではないかと考えられています。
実際に、親戚に読みの障害の方がいる場合には、
読みの障害になる確率が、通常と比べて高くなることがあります。
読みの障害は、書く能力にも影響しますので、
遺伝的な影響によって、読み書きの障害が出やすい場合が考えられます。
ちなみに、算数の障害については、
遺伝よりも生まれてからの環境の面が大きいと考えらえれています。
その他には、「食品添加物」や「環境汚染物質」の影響があるかもしれないと考えれています。
成績が悪いのは、学習障害が原因?
注意点なのですが、学習障害という言葉から、
学習障害は、成績が悪い人がもつ障害のように考える方もおられるかと思います。
成績が悪い理由の1つに学習障害が考えられます。
しかし、成績が悪い理由がすべて学習障害というわけではありません。
7、学習障害ではなく、「勉強法」の問題かも
学校の勉強というのは、日々の理解の積み重ねでできています。
小1の内容を理解することで、小2の内容が理解できますし、
小2の内容を理解したことで、小3の内容が理解できます。
つまり、ある学年で、わからないことをわかるようにする努力を放っておくと、
その後の勉強が全然わからなくなる、
という状態が起こりえます。
- 中学生だから、中学校の勉強をやらなくちゃ
- 中学生だから、小学校の勉強をやるのは恥ずかしい
のような考え方だと、
中学校の勉強を何回もやるんだけど、しっかり理解できない
といったことになりがちです。
すると、何回やってもわからないので、
あきらめてしまう
といった悪循環になってしまうことがあります。
このような場合には学習障害というよりも、
勉強方法が間違っている可能性があります。
こういった場合には、わからないところまで戻って、
中学生であっても、小学校の内容からやり直すことが有効です。
自分のわからないところをはっきりさせて、それを適切に補強していくことが大事です。
つまり、成績が悪いからといって、
自分で学習障害と決めつけて、
あきらめないようにしましょう
というわけです。
勉強法の工夫が、成績を上げる可能性があることを意識してもらいたいと思います。
というわけで、本記事では、学習障害の原因についてまとめました。
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