学習障害(LD)は、学習するのに困難を示す障害のことです。
学習障害では、なぜ、学習するのが難しいのでしょうか?
と思われるかと思います。
その原因の1つに、
「ワーキングメモリ」という脳の仕組みが関係しています。
つまり、ワーキングメモリを学ぶことで、
学習障害の原因の一面を理解することができます。
また、ワーキングメモリは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とも関係があります。
学習障害の中には、ADHDのため、勉強に集中できないという、ADHD由来の学習障害もあります。
ADHDは、ワーキングメモリの働きを知ると、より深く理解することができます。
ワーキングメモリは、
LD、ADHDの両方に大切な考え方になります。
そこで本記事では、
- ワーキングメモリがどのようなものか、
- ワーキングメモリと学習の関係
- ワーキングメモリとADHD(注意欠陥・多動性障害)の関係
についてまとめたいと思います。
本記事を読むことで、学習障害の原因の1つを理解できます。
また、LD改善のためのアイデアを、
ワーキングメモリという脳の仕組みから考えれるようになります。
加えて、ADHDによる学習障害とワーキングメモリの関係について理解してもらえたらと思います。
「学習障害」に関係ある「ワーキングメモリ」とは?またADHDとの関係は?
ワーキングメモリとは?
ワーキングメモリは、上で、脳の仕組みの1つと言いましたが、
脳にワーキングメモリ、というものがあるわけではありません。
脳には、一時的に情報を置いておく機能があり、
それをワーキングメモリと呼んでいます。
ワーキングメモリは、日常でも常に使われていて、
私たちの生活に欠かすことができません。
例えば、リビングでテレビを見ていて、飲みものを取りに冷蔵庫まで行ったとします。
冷蔵庫を開けて、カルピスを取り出して飲む、ということができますよね。
これは、ワーキングメモリが使われた例の1つです。
「飲みものを取りに行く」という一時的な欲求の情報は、
脳の中のワーキングメモリに蓄えられます。
そして、数秒から数十秒の間、記憶されています。
それが保持されている間なら、冷蔵庫に行って、飲みものを取る、という目的を果たすことができます。
しかし、こんな経験もあるのではないでしょうか?
冷蔵庫に行こうとしたら電話がかかってきて、応対をした。
すると、なんで冷蔵庫に行こうとしたかを忘れてしまった!といった経験です。
実は、ワーキングメモリは記憶できる量が少ないという弱点があります。
「冷蔵庫に行って飲みものを取る」という情報を保持していても、
電話に応答して「他の情報」が入ってくると、
ワーキングメモリは、後から来た情報だけを保持して、
「飲みもを取る」という情報は追い出されてしまうのです。
ワーキングメモリは、短時間の記憶保持機能で、
生活する上で欠かせないものなんです。
ワーキングメモリと学習障害の関係
次を読む:「学習障害」に関係ある「ワーキングメモリ」とは?またADHDとの関係は?(第2話)
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