第2話では、主に、ワーキングメモリと「学習」と「学習障害」の関係について、
ワーキングメモリの点から説明しました。
『「学習障害」に関係ある「ワーキングメモリ」とは?またADHDとの関係は?(第2話)』
この第3話では、
ワーキングメモリと「ADHD(注意欠陥・衝動障害)」の関係についてまとめ、
学習障害は、ADHDに起因するものもあることについて、
わかりやすく、まとめました。
「学習障害」に関係ある「ワーキングメモリ」とは?またADHDとの関係は?(第3話)
ADHD(注意欠陥・多動障害)とは
ADHDとは、エーディーエッチディーと読み、
注意欠陥・多動障害と言われます。
注意欠陥とは、注意力が足りていないことで、
様々な刺激に影響されやすく、1つのことに集中できない性質を表しています。
多動障害とは、多く動くと書いているように、活動が多く、
また、それらの行動が衝動的である状態を指しています。
ワーキングメモリとADHDの関係
ワーキングメモリの働きの良し悪しは、ADHDとも関係があります。
ワーキングメモリがよく働いている場合は、
- 今の自分の置かれている状況
- 今やるべきこと
- これからやることの計画
そういったものをワーキングメモリに蓄えておけます。
なので、これらを元に、適切な行動を計画して実行することができます。
しかし、ワーキングメモリの働きが悪いと、
今すべきことが何か
何に集中するべきなのか
課題をどういう手順でこなせばいいか
などの、自分をコントロールするための基本的な方針を、
ワーキングメモリ内に蓄えておくことができません。
つまり、
- 意図せず、場に応じた振る舞いができなかったり、
- 適切な手順を1つずつ実行することができない
といったことが起こります。
つまり、
- その場で注目すべきことに注意できなかったり、
- 適切な手順を1つずつできず、衝動的に行動してしまう
といったADHDの症状が出やすくなります。
このように、
ワーキングメモリの働きが弱いと、
ADHDのような症状が起きやすくなってしまします。
以上まとめると、
①、ワーキングメモリは、それ自身で学習に大きく関係している
②、ワーキングメモリの働きが弱いと、 ADHD的な行動が出やすい
その結果、学習する場に適切に参加する、ことが難しくなり、
学習する、というところまで行かずに、
勉強につまずいてしまう、ということが起こってしまいます。
つまり、
ワーキングメモリが弱いことで、
1、学習自体がスムーズに行きにくいこと
2、ADHD様の症状で、学習への参加がむずかしくなりやすい
という2つの点から学習が進みにくくなります。
対策としては、
1、ワーキングメモリを鍛えること(根本の解決)
2、情報を紙などに書き出しておいて、ワーキングメモリの負担を軽くする
と言ったことが挙げられます。
ワーキングメモリを鍛えながら、
使えるワーキングメモリを極力、他のことに使わないようにする、
というのが重要なポイントとなります。
というわけで、本シリーズでは、
ワーキングメモリをポイントとして、
学習・学習障害・ADHDの関係についてまとめました。
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