今回は、「学習障害とは?その定義や種類、特徴や原因、学習障害をもつ有名人などをまとめました」の第5話です。
今回は、学習障害を持つ「有名人」「芸能人」についてまとめました。
- うちの子は学習障害かもしれないけど、将来だいじょうぶだろうか?
- 子どもと接する仕事をしてるんだけど、学習障害の子どもさんの就職や仕事など、進路はどう考えたらいいの?
- 学習障害を持つ有名人・芸能人を知って、目標となる人やその人たちの支援や対応方法を参考にしたい
と思われる方も多いのではないでしょうか。
学習障害を持つ有名人や芸能人について知ることで、
- 目標になる人を見つけたり、
- 有名人や芸能人の方々がどんな支援や対応を受けたのか
を参考にすることができます。
そこで本記事では、学習障害の「有名人」についてまとめました。
「学習障害」とは?その定義や種類、特徴や原因、学習障害をもつ有名人や芸能人などをまとめました(第5話)
学習障害(LD)をもつ有名人や芸能人とは
トム・クルーズさん
ハリウッド俳優のトム・クルーズさんは、学習障害ということを告白されています。
トム・クルーズさんは、読みの障害の「ディスレクシア」です。
え、俳優なら台本読んだりしないといけないんじゃないの?
と思われるかと思います。
まさにその通りで、トム・クルーズさん本人も、そこが一番大変だとインタビューの中でおっしゃっています。
じゃあ、どうやって乗り越えたの?
ということですが、トム・クルーズさんの場合には、
台本を他の方に読み上げてもらって覚えている
ということでした。
つまり、
読んでもらえれば頭に入ってくるので、
その特徴に応じて、
適切に支援してもらっているというわけです。
トーマス・エジソン
エジソンといえば、発明王の名前で知られる偉人のひとりです。
電球を発明した人として有名ではないかと思います。
生涯で1300もの発明をしたと言われています。
その中には、人類の歴史に残る発明も多く、
- 蓄音機(録音する機械)
- 白熱電球
- 活動写真(明治時代での映画のこと)
といった発明を残しています。
こんな発明をするなんて、さぞ天才だろうと思われるかもしれません。
しかし、エジソンは、小学校を退学になるほど、いわゆる出来が悪いお子さんでした。
小学校では「なぜ?」「どうして?」といった質問ばかりして、授業が進まなかったと言います。
小学校の先生とも対立してしまい、わずか3か月で退学となりました。
その結果、エジソンは自宅で独学を余儀なくされました。
ここからが重要で、エジソンは小学校の退学をマイナスにとらえずに、
自らの興味に従って、化学実験に没頭していきます。
空を飛べる薬を作ろうと思い、空気より軽いヘリウムガスを友達に飲ませて、
友達が体調不良になり大騒ぎになったこともあります。
このような人体実験については、母親は非常に厳しく禁止したのですが、
その他のほとんどのことは大目に見て、自由に思うままに化学実験をする環境を与えたと言います。
つまり、
母親が、本人の興味を持つものについて、
存分にできるように環境を整えた
ということです
ちなみに、エジソンはADHDでもあったと言われています。
アルバート・アインシュタイン
アインシュタインは、ノーベル賞を受賞した科学者です。
そんな優秀な人が学習障害なの!
そんなわけない!
と思われるかもしれません。
しかし、実際にアインシュタインは学習障害だったことが知られています。
アインシュタインは、幼少期から青年期に至るまで、
日常生活では話すことが苦手で、学校でもあまりしゃべらなかったそうです。
また、運動は苦手で、友達付き合いも少なかったようです。
生涯を通じて、「R」の大文字を鏡文字として、反転させて書いています。
学業では、ほとんどの科目はまったくダメでした。
しかし、数学や物理については、非常に良くできていました。
9歳でピラゴラスの定理を自力で証明したりと、非凡な才能を示していたそうです。
スイスの名門チューリッヒ連邦工科大学の受験では、数学と物理について、最高ランクの成績を残しています。
大学時代は6人ほど学友がいました。(その中の1人と恋人になり、のちに結婚をします。)
大学の講義にはあまり出ずに、自分の興味あるものだけ熱心に勉強したそうです。
その結果、科目によって最高ランクを得るものと、最低ランクを得るもの、といったように、非常にアンバランスの成績でした。
大学幹部との仲が悪かったため、大学助手にはなれずに、
保険外交員や代理教員、家庭教師などで収入を得ながら論文執筆を行ったそうです。
その後、知り合いの口利きで特許庁へ就職し、
そこで比較的多くの自由な時間を得ながら働くことができました。
特許庁就職後、3年後には、ノーベル賞に関連する重要な論文を発表しました。
このように、
幼少期から苦手なものがたくさんある中でも、
得意なものに熱中して伸ばすことに集中しています。
また、家族環境との関わりが科学への興味を育てたことも知られています。
6歳の時に、父親から方位磁針をもらい、科学に興味を持ったとされています。
12歳の時には、叔父からユークリッド幾何学の本(図形の古典的名著)をもらって、それを独習したと言います。
他にも微積分をこの時期に習得したそうです。
これは推測ですが、これらの事例はのちの成果につながった成功事例でして、
実際には、他にも様々なものに触れる機会があったのではないかと想像されます。
たとえ学習障害という中で、できないことがたくさんあっても、できないことに集中しないことが見て取れます。
むしろ、たくさんのことをやってみながら、得意なこと・熱中できるものを見つけることが大事です。
そして得意なことについて努力を続ける
ということが成果に結びついたのではないでしょうか
学習障害の有名人から学べる、ポイントとは?
トム・クルーズさんの場合
- できないことは、周りに支援してもらう
ことができています。
それによって、学習障害の部分を克服し、
演技という才能を十分に発揮することができています。
トーマス・エジソンの場合
小学校を退学になった時に、世間的に不利な評価を受けたはずです。
しかしエジソンは、そこには集中していません。
むしろ、興味のあることに集中し、トコトン極めようと努力しています。
それらの結果が、画期的な多くの発明につながりました。
これが人の役にたつことにつながり、
世の中で認められる存在となりました。
また、家族がエジソンに自由に科学研究を行う環境を与えたこともとても重要です。
環境がなければエジソンが発明王となることはなかったはずです。
- マイナスの評価に集中しない
- 自分の熱中するものをトコトンやり続けること
- 周囲が、それができる環境を与えること
これらがエジソンの成功につながったと考えられます。
アインシュタインの場合
小さい頃から、数学を独学していたように、興味のあることを続けています。
また、家族・親戚・知人は、それに合うように、本を与えたり、職場を紹介したりしています。
本人も、自身の目的のためにどのような環境がいいのかを考え、それを手に入れる努力もしています。
学習障害の有名人まとめ
以上、トム・クルーズさん、エジソン、アインシュタインについてまとめました。
3人に共通して言えるのは、学習障害だからと、できないことを意識するのでなく、
できること・楽しいこと・得意なこと・役立つことを見つけていくのが重要です。
そのためには、
- 何ができて
- 何が楽しくて
- 何が役に立つのか
について、やってみながら、自分で判断するのが大事です。
そして、できないことは、助けを借りればいい
ということです。
助けを借りれないがために、自分の才能を発揮できないのはもったいないことです。
学習障害ということを恥ずかしいなど、マイナスに思うことなく、
できないことがわかったら、それをできるように、支援を求める
これが才能を開花するためにも重要な教訓ではないでしょうか。
学習障害と考えられている、その他の有名人・芸能人
学習障害をもつ(と考えられている)有名人は、他にもいます
- レオナルド・ダヴィンチ(芸術家&科学者)
- チャールズ・リンドバーグ(飛行家・大西洋単独無着陸飛行を成功、人工心臓の開発)
- ウィンストン・チャーチル(イギリスの政治家)
- アガサ・クリスティ(推理作家)
- ジョン・アーヴィング(小説家)
といった方がおられます。
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